「国際連合広報センター 資料提供」(広報資料―公式文書ではありません)
記事資料 00/109-J
2000年11月28日
国連安全保障理事会、戦争が女性に与える影響を
グローバルに評価することを要求

安全保障理事会は前例のない決議を採択し、
女性が紛争予防と平和促進においてより中心的役割を果たすことを奨励

 10月31日、国連安全保障理事会(安保理)は、全会一致で女性と平和・安全保障に関する決議を初めて採択しました。この前例のない決議は、女性に対する犯罪の訴追、紛争下における女性と少女の保護の強化、国連の平和維持活動ならびに活動現場に派遣する女性職員の増員、国家、地域、国際レベルの意思決定プロセスに関する女性の参加促進を要求しました。

18項目におよぶ決議(S/RES/1325)は国連に対して、女性と少女に対する武力紛争の影響、平和構築における女性の役割、和平プロセスおよび紛争解決におけるジェンダーの側面をグローバルに調査することを要求しています。

先週、安保理において演説を行った「国連婦人開発基金(UNIFEM)」のノエリーン・ヘイザー(Noeleen Heyzer)事務局長は今日の理事会の決定を称え、包括的な研究を行なう際にUNIFEMは援助を惜しまないことを約束しました。

「これまで、武力紛争が女性に与える影響、ならびに平和構築における女性の役割について包括的な研究が実施されたことはありませんでした。性差別の圧力と紛争は複雑に絡み合っており、国際平和と安全を脅かすものです。安保理は本日、21世紀に向けて新たな前例を作りました。国際的な行動なくして、紛争の只中にある女性たちはいかなる安全も与えられることはないでしょう。反対に、十分な女性の参加なくしては、和平プロセスそのものが後退してしまうでしょう。」とヘイザー事務局長は述べています。

決議は更に、

  • 国連事務総長に対し、紛争解決および和平プロセスに関する政策決定のレベルにおいて、女性の参加を増やすよう促す戦略的行動計画(A/49/587)の実施を求めています。
  • 国連事務総長に対し、国連の現場で展開している活動(軍の監視官、文民警察官、人権・人道担当職員などを含む)における女性の役割と参加を拡大するよう要請しています。
  • 国連事務総長に対し、女性の保護と権利、女性に特有なニーズに関する研修要項と資料を加盟国に提供するよう要請しています。
  • 大量虐殺(女性と少女に対する性的犯罪およびその他の暴力行為も含む)の責任者に対する刑事免責を廃止し、彼らを訴追するという全ての加盟国の責任を強調しています。

ナミビアが議長を務めた理事会の席上でまとめられた決議は、10月24日および25日に行なわれた「女性、平和、安全保障についての公開討論会」をもとにしたものです。公開討論会の席上で、中国、バングラデシュ、フランス、アルゼンチン、オランダ、英国、米国をはじめとする43カ国は安保理に対し、戦争下の女性に対する人権侵害、および和平交渉および恒久的安全保障における女性の貢献について調査を実施するよう要請しました。今回の安保理公開討論会で中心的な議題となったのは平和維持活動の役割であり、女性に対する虐待と暴力行為を防ぐ目的で、要員に対し研修を行うことに各国は次々と支持を表明しました。

在ニューヨークのバングラデシュ代表部のアンウォラル・カリム・チョウドリー大使は、先週非公式の会合において安保理に訴えた紛争国の女性たちを話題に取り上げ、「女性たちの声がついに安保理に届いたのです」と述べました。「今や、安保理が責任を任された形となりました。今こそ、女性たちが切に平和を望んでいるという力強いメッセージを送る時です。しかしより重要なことは、平和を促進するためには女性の参加が不可欠だということです。」

1990年初めから、UNIFEMは女性の平和活動を支援し、世界のあらゆる地域の武力闘争下にある女性と少女を保護し、支えてきました。今年の夏UNIFEMは、平和運動の主導者ネルソン・マンデラ氏の招待でブルンジの19の政党を前に、平和活動におけるジェンダーの問題について説明を行なう機会を与えられました。その結果、ブルンジの各政党は歴史的な「全政党によるブルンジ女性平和会議」に2名ずつ女性代表を送り出しました。同会議では、50名以上のブルンジの女性が和平協定案の草案において女性に対する保護を強化するよう提案しました。このことにより最終和平協定には、これら女性の提案のうち23項目が織り込まれることになったのです。

2000年10月、UNIFEMはオーストラリアの女性たちと協力の上、東ティモールの政治闘争を生き抜いた女性たちを対象として、研修とカウンセリングを開始しました。コソボにおいても、UNIFEMは欧州安保協力機構(OSCE)、欧州連合(EU)、ならびにその他の国連機構と共同で、現在実施されている平和維持活動にジェンダー問題を織り込むことを目的として、1999年から3ヵ年計画を開始しています。



国連婦人開発基金(UNIFEM)は、女性の人権、政治参加、経済的安全保障を促進する革新的なプログラムおよび戦略に対して財政的・技術的援助を提供しています。ジェンダーにおける平等を促進するため、UNIFEMは国連の諸機関、各国政府、非政府機関(NGO)、その他ネットワークと協力しています。

日本国内でのUNIFEM連絡先:ユニフェム日本国内委員会事務局
Tel:045-224-2003 Fax:045-224-2009
(31/10/00)



女性と平和・安全保障に関する国連安全保障理事会決議
(S/RES/1325)
概略、2000年10月31日
決議(S/RES/1325)は、安全保障理事会が女性に対する戦争の影響、ならびに紛争解決と平和維持における女性の役割について初めて採択した決議である。

18項目におよぶ決議の中で、安全保障理事会は、

  • 加盟国に対し、あらゆる意思決定レベルにおける女性の代表の増員を要請する。
  • 国連事務総長に対し、紛争解決と和平プロセスの政策決定レベルにおいて、女性の参加を促す戦略的行動計画を実施するよう要請する。
  • 国連事務総長に対し、特別代表・特使としてより多くの女性を任命するよう要請する。
  • 国連事務総長に対し、国連の現場で展開する活動(軍の監視官、文民警察官、人権問題担当職員など)における女性の役割と貢献を拡大するよう要請する。
  • 国連事務総長に対し、女性の保護、権利、女性に特有なニーズに関する研修要項および資料を提供するよう要請する。
  • 加盟国に対し、ジェンダー問題に留意した研修への任意の財政、技術、後方支援を増やすよう要請する。
  • 武力紛争の全関係者に対し、特に文民としての女性と少女の権利および保護に適用される国際法を全面的に顧慮するよう要請する。
  • 武力紛争の全関係者に対し、婦女子をジェンダー関連の暴力、特にレイプやその他の性的な暴力行為から守るための特別措置を講じるよう要請する。
  • 大量虐殺(女性と少女に対する性的、およびその他の暴力行為も含む)の責任者に対する刑事免責を廃止し、彼らを訴追するという全ての加盟国の責任を強調する。
  • 武力紛争の全関係者に対し、難民キャンプおよび居留地の民間的・人道的な特質を顧慮し、特に女性と少女に特有なニーズを尊重するよう要請する。
  • 国連事務総長に対し、武力紛争が女性と少女に与える影響、平和の構築における女性の役割、和平プロセスおよび紛争解決におけるジェンダー的側面、平和維持活動におけるジェンダーの主流化の進展に関する報告書を安全保障理事会に提出するよう求める。


詳細な情報に関しては、
国連婦人開発基金(UNIFEM)のMicol Zarb(Tel.米国+1-212-906-5463)

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