「国際連合広報センター 資料提供」(広報資料―公式文書ではありません)
記事資料 00/21
2000年3月9日
第44回婦人の地位委員会(2月28日―3月2日、国連本部)
 婦人の地位委員会は、3月3日―17日、「男女平等、開発および平和に関する特別総会」の準備委員会としての会合を開催する。

 婦人の地位委員会は、2月28日―3月2日の会合を終えた後、3月3日から17日まで、6月に開催予定の「Women 2000 − 21世紀に向けた男女平等、開発および平和」と題する特別総会の準備委員会としての討議を行う。同委員会は、1995年に北京で開催された「第4回世界女性会議」のフォローアップを行うとともに、同会議の成果に関する包括的な再検討を行う。また、準備委員会として、特別総会に提出される文書の完成に向けた準備に焦点を当てる。
 今次会合は、北京会議のハイレベル全体再検討会議に向けた準備委員会の第3回(最終)会合となる。第2回会合では、1999年3月19日の閉会に当たり、メンバー国が暫定的議題を承認した。これによれば、特別総会は、北京綱領における12の重大関心領域の実施状況を審査・評価し、その実施における障害を克服するための一層の行動およびイニシアチブを明らかにすることとなる。
 婦人の地位委員会は、男女平等を達成するための政策策定を担当する、国連内部における中心的な政府間機関である。1946年に経済社会理事会の補助機関として発足した同委員会は、女性の権利の分野において即座の注意を要する緊急課題に関し、経社理に勧告を行っている。北京での第4回世界女性会議を受けて、委員会は女性のエンパワーメントにとっての課題である「北京宣言」および「行動綱領」の実施状況を監視することとなった。
 1996年から2000年までを対象とする多年度作業計画の下で、委員会は「女性と貧困」、「女性と武力紛争」および「女性の人権」など、北京会議で採択された12の重大関心領域を中心に話合いを行った。「女性の教育と訓練」、「女性に対する暴力」および「女性と健康」などの問題については、戦略的な目標と行動が検討された。今次会期では、行動綱領の採択から5年後の包括的な再検討と評価、および、女性あるいは男女平等に影響する新たな問題の検討に焦点が置かれる予定である。
 北京会議のフォローアップの一環として、委員会は以下の問題を再検討することになっている 。

  1. 女性の人権など、国連システムにおけるジェンダーの視点の中心化
  2. パレスチナ人女性
  3. 武力紛争における女性と子どもの人質
  4. 女性、女児とHIV/エイズ
  5. 国連事務局における女性の地位
  6. 女性に対する暴力
  7. 女子差別撤廃条約
  8. 女性の地位向上のための国連システム中期計画
  9. 「1999年開発における女性の役割に関する世界調査報告」
 3月1日のパネル討論会では、グローバリゼーションの社会的、政治的、経済的および文化的側面とその男女関係に対する意味合いという文脈から、新たな問題が検討される。3月6日の第2回パネル討論会では、これらの問題に取り組むための戦略に重点が置かれる予定である。このパネル討論には、地理的および男女配分の公平性と非政府組織の関与を考慮した上で、政府、市民社会および国連から専門家が参加し、特別総会の成果の準備に向けた一層の行動とイニシアチブに関する追加的資料の収集について、準備委員会を援助することになっている。
 また、通常会期において、委員会メンバーは、ジェンダー問題・女性の地位向上担当事務総長特別アドバイザーおよび女性と男女平等に関する機関間委員会議長から口頭で、関連活動の国連システム内での調整を助ける上で、機関間委員会が果たした前進についての報告を受ける予定である。
 北京綱領のフォローアップと包括的再検討に関し、委員会は以下の事務総長報告の提出を受けることになっている。

  1. 「北京宣言」および「行動綱領」のフォローアップと実施(E/CN.6/2000/2)
  2. 女性の地位向上のための国連システム中期計画(1996-2001年)の実施評価(E/CN.6/2000/3)
  3. 女性の地位向上部と国連人権高等弁務官事務所の共同作業計画(E/CN.6/2000/8-E/CN.4/2000/_)
 「北京宣言」および「行動綱領」のフォローアップと実施に関する事務総長報告(E/CN/.6/2000/2)は、ジェンダーの視点の中心化を支援する上で事務局が行った最近の努力、および、非政府組織によるものを含めたフォローアップ活動に重点を置いている。また、報告には、事務総長に女性、女児とHIV/エイズ問題への対処を促した決議に対する、同人の回答も含まれている。さらに、報告の追加文書には、女性の地位向上部と国連人権高等弁務官事務所のための共同作業計画も含まれている。
 女性、女児とHIV/エイズの問題について、報告は、リスクと脆弱性を軽減する上で、「ベスト・プラクティス」の判別、促進および応用が肝要だと述べている。報告では、HIV/エイズに関して、国連婦人開発基金(UNIFEM)、国連エイズ合同計画(UNAIDS)、国連人口基金(UNFPA)の3機関が共同出資し、ジェンダーに焦点を置いた革新的な先行プロジェクトを行なっていることが紹介されている。6カ国で発足したこのプロジェクトは、女性組織が、HIV/エイズを重大なジェンダー問題として認識し、さまざまなイニシアチブを通じて、この疾病に対処する能力を強化することをねらいとする。また、啓発を行い、読書きが全くあるいはほとんどできない人々にジェンダーを意識した保健メッセージを送る方法を明らかにする上で、地域の促進者たちの能力を高めようとする国連教育科学文化機関(UNESCO)の活動についても触れられている。
 報告はさらに、HIV/エイズの蔓延についてジェンダーを基盤とする対応を行うためには、HIV/エイズに関する国連システム戦略計画(2001-2005年)の枠組みにおいて、あらゆるレベルで長期的な努力、調整およびコミットメントを継続する必要があるとしている。加えて、現在の世界全体におけるHIV/エイズ感染の過半数はアフリカで発生していることから、UNAIDSが1999年1月に新たに発足させた「アフリカにおけるエイズ対策国際パートナーシップ」を最優先事項とすべきである、と述べる。また戦略の焦点は、女性自らのリプロダクティブ・ヘルスの管理改善、男女の自発的検査および相談に対するアクセスの促進、女性の側からの予防手段、ならびに、母子感染を減少させる措置に置くべきである、とする。
 国連事務局内におけるジェンダーの視点の中心化という領域に関し、報告は、平和維持活動局・教訓学習班が1999年6月に発足させた、多面的平和維持活動におけるジェンダーの視点の中心化に関するプロジェクトに注意を喚起している。また、アフガニスタン支援グループの活動に対する「ジェンダー問題・女性の地位向上担当特別アドバイザー」の積極的な関与と、「アフガニスタンにおける国連システムに対するジェンダー・アドバイザー」の活動に対する、その継続的な支援も特記されている。報告によれば、同国の現状と、同国における国連システムの活動に対するその意味合いに関する情報は、「女性と男女平等に関する機関間委員会」との間で、定期的に共有されている。
 委員会はまた、女性の地位向上のための中期計画(1996-2001年)に関する事務総長報告(E/CN.6/2000/3)も検討する。この報告書は、国連システムの各主体がこの全体的計画の実施に向けて行った努力に関して提供した情報をまとめたものである。報告では、実施の制度、財政および調整の側面のほか、残された課題についても述べられている。付属書には、北京行動綱領の12の重大関心領域において、国連の各主体が実施した活動に関する情報が掲載されている。12の領域は、「女性と貧困」、「女性の教育と訓練」、「女性と健康」、「女性に対する暴力」、「女性と武力紛争」、「女性と経済」、「権力と意思決定における女性」、「女性の地位向上に関する制度的仕組み」、「女性の人権」、「女性とメディア」、「女性と環境」、「女児」である。
 さらに報告によれば、各国連機関の回答から、行動綱領と国連システム中期計画の実施に対する数多くの障害が明らかになった。具体的には、男女平等の達成に当たっての地球的理念とその具体的な国内レベルでの戦略との間にみられる乖離、貧困やHIV/エイズなどの問題にジェンダーの側面があることに対する認識不足、ジェンダー問題を組み込む上での職員の能力と確信の欠如、男女平等の理念と対立しうる社会的・伝統的環境等の問題があげられる。貧困、グローバリゼーションの悪影響、および、女性と女児の役割に対する画一的態度の残存は、経済政策と社会政策の統合の欠如とともに、特に大きな挑戦を突きつけていた。
 女性の地位向上部と国連人権高等弁務官事務所の共同作業計画に関する事務総長報告(E/CN.6/2000/8-E/CN.4/2000/_)は、1999年の作業計画の実施状況を評価し、2000年の計画を提示するとともに、1999年5月26日から28日にかけて開催された人権システムへのジェンダーの統合に関するワークショップの報告を伝達するものとなっている。
 同部および同高等弁務官事務所が実施した活動の中には、女性と女児の人身売買の問題に関する情報交換が含まれていたが、これは人身売買の犯罪的側面に関する国連の調査に寄与した。2000年の共同作業計画は、人権条約機関と主要な特別機構の活動に対する支援を強調している。1999年のワークショップでは、一般的な人権法文書と機構の枠組みにおいて、女性の人権と男女平等に関心を集中させることをねらいとした一連の勧告が採択された。
 委員会はまた、1999年の関連する経済社会理事会決議および決定に対する注意を喚起し、そのフォローアップを求める経社理議長から委員会議長宛の(一連の)書簡(文書E/CN.6/2000/7)についても検討する。

特別総会の準備
 総会は決議52/100により、「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略」と採択後5年を経過した「北京行動綱領」の実施状況を評価し、さらなる行動とイニシアチブについて検討するため、2000年にハイレベル全体再検討会合を招集することを決定した。その後、総会は、この特別総会の準備作業を婦人の地位委員会の第43会期および第44会期で行うこと、ならびに、準備作業を完了させるため、これらの会期を5日間延長することを決定している。
 今次準備会合の主要要素としては、特別総会準備に関する一般討議、および、3月6日に予定されている「2000年以降の男女平等、開発および平和の展望」に関するパネル討論と対話があげられる。
 準備委員会は事務総長の以下の報告を検討する。

  1. 「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略」を考慮した、各国報告に基づく北京行動綱領の実施状況(E/CN.6/2000/PC/2)
  2. 女性の利益とジェンダーの中心化という問題の組み入れ、および、国連の各プログラムに対する関連資源の配分(E/CN.6/2000/PC/3)
  3. 2000年以降の展望の準備に向けた一層の行動とイニシアチブに関する追加的資料を含む新たな課題(E/CN.6/2000/PC/4)
 さらに、準備委員会には、北京行動綱領の12の重大関心領域に関するオンライン作業部会の概要を含む事務総長覚書(E/CN.6/2000/PC/CRP.1)も提出される予定である。

メンバー構成
 婦人の地位委員会のメンバー45カ国は、以下の地域的配分に基づき、任期4年で選出される − − アフリカから13カ国、アジアから11カ国、東欧から4カ国、ラテンアメリカ・カリブ海から9カ国および西欧その他から8カ国。
 2000年の委員会メンバー国は以下のとおり − − ベルギー、ベナン、ボリビア、ブラジル、ブルンジ、チリ、中国、コートジボワール、クロアチア、キューバ、朝鮮民主主義人民共和国、デンマーク、ドミニカ共和国、エジプト、エチオピア、フランス、ドイツ、ガーナ、インド、イラン、イタリア、日本、キルギスタン、レソト、リトアニア、マラウイ、マレーシア、メキシコ、モンゴル、モロッコ、パラグアイ、ペルー、ポーランド、韓国、ロシア連邦、ルワンダ、セントルシア、セネガル、スリランカ、スーダン、タイ、トルコ、ウガンダ、英国、米国。